2021.2.3 SHIPニュースレター [Vol.23] 持続可能な経営を実現する「SDGsネイティブ」の声

2021-02-02

SHIPニュースレターVol.23をお届けします。【SDGs x ビジネス最新情報】では、近年活発になっている、次世代を作る若者「SDGsネイティブ」の意見を経営に取り入れる動きを取り上げています。2/5(金)開催のUNDPのオンラインイベントもご案内していますので、ぜひご覧ください。

 

■ CONTENTS ■===================================

【SDGs x ビジネス最新情報】

持続可能な経営を実現する「SDGsネイティブ」の声

【From UNDP】

2/5(金) オンラインイベント「新しいフロンティアへ:人間開発と人新世」開催

【From SHIP Partner】

未来技術推進協会主催「未来技術推進検定 SDGs編」 申込み受付中

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【SDGs ×ビジネス最新情報】

持続可能な経営を実現する「SDGsネイティブ」の声

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「SDGsネイティブ」という言葉をご存じでしょうか?1980年代以降生まれで、環境問題や社会課題に強い関心を持ち、その解決に積極的に貢献したいと考える世代を指します。SDGsの達成をめざす公共セクターや、民間企業が彼らの意見を積極的に取り入れる必要性に気づきはじめ、「SDGsネイティブ」という言葉が頻繁に登場するようになりました。

 

UNDPでも、SDGs達成に向けて「SDGsネイティブ」の力を積極的に活かそうと、彼らとの連携を積極的に進めており、持続可能な社会をデザインするイベント「SDGs x Youth」を開催したり、アジア太平洋各国の若手起業家を支援する「Youth Co:Lab(ユース・コーラボ)」というプログラムを実施したりしてきました。日本でも、国内外の社会課題を解決しようと企業やNPOを立ち上げた、マザーハウスの山口絵里子さん、クロスフィールズの小沼大地さんなど、「SDGsネイティブ」の活躍の様子は皆さんご存じのとおりです。

 

そして近年、「SDGsネイティブ」の声を積極的に経営に取り入れる動きも拡大しています。先週、オンラインで開催された「ダボス・アジェンダ」。この会議を主催する「世界経済フォーラム」は、「Global Shapers Community」という、約150か国の30歳未満の若手オピニオンリーダー10,000人から成るネットワークを形成し、彼らが世界の舞台で発言する機会を与えるとともに、444の都市にハブを形成し、彼ら自身がそれぞれの地域の課題を抽出してそれを解決するプロジェクトを実施しています(ちなみに、日本からは過去にメディア・アーティストの落合陽一さんなどが選出され、東京、横浜、京都、大阪、福岡、沖縄にハブが形成されています)。ダボス会議に合わせて開催されるGlobal Shapersの年次会合には、世界を代表する経営者との議論も行い、最後に発表される提言(2020年会合の“6つのメッセージ”)は、今後の社会や経営に重要となる多くの気づきを世界のリーダーに与えています。

 

さらに日本でも、積極的に「SDGsネイティブ」の声を経営に活かす企業が出てきています。ソーシャルスタートアップの草分けであるユーグレナは、2019年に「Chief Future Officer(最高未来責任者)」という役職を設置。18歳以下の応募者の中から任期1年間で任命されるCFOは、同じく18歳以下のFutureサミットメンバーと共に、同社のサステナビリティに関するアクションや達成目標策定などに携わります。初代CFOの小澤杏子さん(選出当時17歳)は、「2021年中に自社商品に使用される石油由来プラスチック量の50%削減に挑戦する」という、同社の野心的な経営判断をリードしました。

 

消費活動においても、地球環境の未来に不安を感じ、サステナブルな行動が当たり前となっている「SDGsネイティブ」の感性は、近い将来、消費者の行動基準になっていきます。平成生まれの筆者の周囲でも、フェアトレードやオーガニックの選択に限らず、環境負荷が高い製品やブラック企業と呼ばれる企業のサービスを利用しないといった心掛けが浸透しつつあると感じます。2020年に実施された消費者庁の「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査でも、「エシカルな食料品を購入している」と回答した10~20代の割合は11.0%、30代は11.5%で、40代の5.4%や50・60代の6.1%を大きく上回っており、衣料品やその他生活用品でも同じ傾向が見られます。

 

「SDGsネイティブ」の能力と声を経営の中枢に取り入れることは、今や不可欠であり、持続可能な経営の実現に向けた確かな道だと言えます。

 

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【From UNDP】

2/5(金)オンラインイベント「新しいフロンティアへ:人間開発と人新世」開催

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UNDPは先月、「人間開発報告書」の30周年記念版として「新しいフロンティアへ:人間開発と人新世」を発表しました。タイトルにある「人新世」は、人類が初めて地球の生態系や気候などに大きな影響を与えるようになった、つまりヒト中心の時代という新たな地質学的時代を指します。

 

この報告書の発表会を2/5(金)午後8:00〜9:00にオンラインで開催します。この発表会では、ペドロ・コンセイソン人間開発報告室長が、報告書の重要メッセージや、新たに導入した指標「プラネタリー圧力調整済み人間開発指数」(Planetary-Pressures Adjusted HDI/各国の二酸化炭素排出量など地球への負荷を考慮した人間開発指数)の意義、必要な変革などについてご説明します。

 

また、国際協力機構(JICA)企画部国際援助協調企画室長の室谷龍太郎氏をお迎えし、人間開発と持続可能性、人間の安全保障の関わりについても対話します。ぜひご参加ください。

 

⇒お申込みはこちら (2/5(金)午後8:00〜9:00オンライン開催)

※2/4(木)午後3:00までにお申込みください。

 

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【From SHIP Partner】

未来技術推進協会主催「未来技術推進検定 SDGs編」 申込み受付中

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SHIPのナレッジパートナーである一般社団法人未来技術推進協会が実施する「未来技術推進検定 SDGs編」(SHIP監修)が2020年より始まっています。SDGs17の目標をその背景とともに理解し、自分とのつながりの理解度を確認できる検定です。ぜひお申込みください。

 

[受験申込み締切] 2/12(金)

[受験期間] 2/1(月)~3/1日(月)(オンライン)

[概要] 試験時間:60分、問題数:46問

[受験料] 3,300円(税込)

⇒お申込み・お問合せ先はこちら(一般社団法人未来技術推進協会)