[ミャンマー] 電力不足と停電が引き起こす経営上の課題

2017年12月1日に投稿された課題

投稿者:Kazuki MIYAZAKI

所属:UNDP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:ミャンマー 市町村:ヤンゴン及び全国

関連SDGs

課題・ニーズ

2011年の民政移管以降、日本企業のミャンマーへの進出が活発化しているが、現地での経営上の大きな課題の一つが「電力不足・停電」である。

日系企業のミャンマーへの進出が増えている要因としては、ミャンマーが中国や東南アジア地域、南西アジア地域などの巨大市場の中間地点にあることから地政学的に重要な位置を占めていることや、5148万人もの人口が将来的な国民所得の向上により有望な消費市場になることが期待されていることなどがある。しかし、JETRO調べによると(2016年) 、在ミャンマー日系企業の内85%もの企業が「電力不足・停電」を経営上の課題として挙げている。実際、近年改善してきてはいるものの、ミャンマー全体の電化率は34%(2015年)に留まっている。一方で、電化率の地域差も大きく、ヤンゴン市内の電化率が78%で最も高く、それにカヤー46%、マンダレー40%、ネピドー39%と続く。地方の電化率は20%にも満たず、カレンやタニンタリーは10%以下しかない。このような状況の中、ミャンマー政府は2030年までに国内の100%電化率を目指す計画を掲げている。

「電力不足・停電」の問題は、人々の経済的・社会的生活に多様な影響を及ぼす。例えば、オフィスアワーに起きる停電はしばしばパソコンを使った業務のほとんどを停止させてしまい、仕事が進まなくなってしまう。確かに、法人/個人が発電機を導入することもできるが、自家発電には初期導入費用、メンテンナンス費用、燃料費などがかかる。そのため、自家発電機を購入、維持できる法人/個人は限られ、多くの人は停電時にただ電気へのアクセスを失ってしまう。また、発電機には盗難の危険性も付きまとう。

課題に関する考察・その他

ミャンマーがその地政学的重要性と将来有望な市場を有していても、あらゆる社会活動の基盤である電力に問題を抱えていては、経済の発展が阻害されてしまう。したがって、「電力不足・停電」の問題はミャンマーにおいて最優先で取り組まれるべき課題である。ミャンマー全体の電化率を考慮するならば、電力インフラの総合的な整備が必要とされているだろう。

出典

JETRO
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/8f45b218e9422619/20170020.pdf

関連サイト

参考資料