[スリランカ] 幼児教育の優先順位が低い

2018年5月21日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:スリランカ 市町村:農村地帯

関連SDGs

課題・ニーズ

 スリランカでは2009年の内戦終結以降、毎年平均5.8%の経済成長を遂げ、現在は底中所得国として分類されています。しかし、スリランカでは人口の約4%がプランテーション(大規模農園)に住んでおり、彼らは依然として同国で最も貧しい人々の1つとなっています。実際、一般的には農園での収入は1日530スリランカルピー(約371円)となり、そこから家族2世帯(祖父母・両親・子供)を養わなければいけません。そのため、3〜5歳児が受ける幼児教育の優先順位が下がってしまいます。

 スリランカでは、基礎教育のいわゆる「学力」の重要性は認識されていますが、幼児教育で学ぶ「非認知スキル」(協調性、自信、精神的健康等)の重要性が認識されておらず、東南アジアの中で幼児教育にお金をかける国のランキングでは最下位となっています。実際、3〜5歳児の46%しか幼児教育を受けておらず、そのほとんどは高所得層になっています。

課題に関する考察・その他

 現在スリランカには17,023の幼児教育センターがあり、その84%が民間やNGOによって運営されています。しかし、幼児教育を受けているのが3〜5歳児の人口の46%ということを考えると、幼児教育センターを設立するだけでなく、家族へ幼児教育の重要性を理解してもらうのと同時に、低所得層が教育費を払える仕組み作りがもっと必要だと考えられます。
 実際、世界銀行はスリランカ政府と共同で、2021年までに幼児開発プロジェクトを通じて幼児教育への投資を行い、貧困層の家庭が幼児教育へアクセスできるようにサポートしていますが、より持続的に全ての子供が教育を受けられるようになる解決策が必要となっています。

出典

https://blogs.worldbank.org/endpovertyinsouthasia/improving-early-childhood-care-and-education-sri-lanka-s-plantations

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参考資料