[コンゴ民主共和国] 鉱物資源が原因の紛争の拡大

2018年6月18日に投稿された課題

投稿者:Haruka MIZOBATA

所属:UNDP

場所:地域:サハラ以南アフリカ 国:コンゴ民主共和国 市町村:東部

関連SDGs

課題・ニーズ

 コンゴ民主共和国は、今や私たちの日常生活に欠かせないスマートフォンに含まれるタンタルをはじめとする鉱物資源に恵まれた国です。しかし、国による不十分な管理体制や周辺諸国での紛争などにより、鉱物資源が違法に取引され、武装勢力の資金源となっています。武装勢力は、鉱物採掘を児童労働や強制労働で行い、また女性や子どもたちに性暴力をはたらくなど、人々の安全をおびやかしています。

 しかし、鉱物資源の違法取引による利益を享受しているのは、このような武装勢力だけでなく、安価な製品・サービスを提供するために取引を行う企業や、意図せずサプライチェーンのなかで関与している企業、そしてそのような製品・サービスをもとめ購入する個人消費者でもあります。

課題に関する考察・その他

 鉱物資源の違法な取引は、ニーズがある限りなくなることはありません。昨今、個人消費者の責任ある消費活動として、買うものや使うものの社会へのインパクトから消費を選択する動きが広がっています。しかし、これだけでは十分でなく、企業の責任ある活動が重要であり、証券取引所への上場条件としての審査やESG投資の拡大など、経済活動を行うにあたって企業への説明責任が要請されています。鉱物資源とビジネスの問題は、今後の経済機会を左右するものとなっています。
 昨今のグローバル経済では、多様なステークホルダーとのかかわりで鉱物が加工され、できた原料を調達する企業から製造、提供までのサプライチェーンや企業の長く連なる委託事業などにより、透明性を確保するためには、ステークホルダー間の協力が重要です。また、このような鉱物資源に関わる全てのステークホルダーの選択と活動が、コンゴ民主共和国の人々の安全な暮らしにつながっています。

出典

東京大学セミナーシリーズ「コンゴの紛争資源問題からとらえるビジネスと人権」

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参考資料