[途上国] 薬剤耐性菌「スーパーバグ」に脆弱な途上国

2018年9月25日に投稿された課題

投稿者:Yumiko KOZU

所属:UNDP

場所:地域: 国: 市町村:途上国

関連SDGs

課題・ニーズ

「薬剤耐性」とは、抗菌薬の使用に伴って病原体が変化し、特定の種類の抗菌薬・抗生物質が効きにくくなる、または効かなくなることを指す。この薬剤耐性を持つ菌のことを"Superbug"(スーパーバグ)と呼ぶこともある。 現在、世界では年間70万人がこの薬剤耐性によって死亡しており、対策を一切講じなければ2050年までに1000万人の死者が出ると試算されている。

これを受け、世界保健機関(WHO)は薬剤耐性問題を「国際保健における非常に大きな脅威の一つだ」と位置付けており、2015年の総会では薬剤耐性の問題に対する、グローバル・アクション・プランが策定された。 日本政府はグローバルヘルス技術振興基金(GHIT)と「アクセスと提供に関するパートナーシップ(ADP)」という補完し合う二つのプロジェクトの支援を通じて薬剤耐性の問題に貢献することで、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ分野でのリーダーシップをとっている。

課題に関する考察・その他

 薬剤耐性の問題は全世界共通の課題だ。抗菌薬の不適切な使用防止や新薬の開発によって、問題の解決を図っている。
しかし、基本的な医療ニーズが満足に行き届いていない途上国では、簡単には薬剤耐性問題に取り組めない環境にある。
新薬の開発の技術を持たない場合や公衆衛生が十分な水準に達していないために抗菌薬を先進国よりも多量に使用することで、薬剤耐性のプロセスを加速させてしまうなどの課題がある。特に免疫力の低い乳幼児や老人は薬剤耐性菌の犠牲者になることが多く、栄養失調が免疫力の低下を招き、状況を悪化させている。
また、手洗い・調理・汚物処理などに際しての衛生教育が国全体に浸透していない状況や病気になったら病院へ簡単に行くことができない環境が、薬剤耐性問題に取り組む難しさを増幅させている。

出典

https://edition.cnn.com/2018/08/08/health/malawi-superbugs-antimicrobial-resistance-among-newborns-intl/index.html

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参考資料