[パキスタン] 汚染された生活水による感染や病気のリスク

2018年11月14日に投稿された課題

投稿者:Ayana ADACHI

所属:UNDP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:パキスタン 市町村:イスラマバート、ラホール等

関連SDGs

課題・ニーズ

パキスタンに暮らす世帯の3分の2は細菌に汚染された水を飲料水として利用している。首都のイスラマバードにはいくつかの水路が流れているが、どこもゴミであふれ汚染されているため、近所の小川を飲料水として利用するしかない。

また、第二の都市ラホールでは、この地域を流れるラビ川に、上流の数百もの工場の排水が垂れ流されている。しかし地元住民はラビ川の水を飲料水として使用しており、この川の魚を食べ、この川の水を灌漑用水として農地に引いている。その結果、ラビ川の魚の骨に重金属汚染が確認されたり、農作物の栽培には大量の農薬が使用されている。

国連によると、こうした劣悪な水質により、パキスタンに暮らす人々の間で腸チフスやコレラ、赤痢、肝炎などが蔓延しており、同国における疾病や死亡の30~40%を占める要因となっている。 パキスタンの水は汚染の問題だけでなく、水資源の枯渇の危機にも面している。

近年、人口が急増したパキスタンでは、このまま非持続可能な水利用が進めば、2025年までに水源が枯渇し、「絶対的水不足」の状態となる恐れがあると指摘されている。国内には大規模な貯水池が3か所しか存在せず、地下水の汲み上げが進行しているが、その汲み上げの地下水面はヒ素濃度が高い深さにまで迫っており、ヒ素に汚染された水を人々が利用するようになってしまう恐れがある。

課題に関する考察・その他

ここでは問題の性質を大きく二つに分けて考察していく。

①水質汚染
この問題の大きな原因はパキスタンの水関係のインフラの中でも、処理施設の普及が遅れていることにある。発展途上国のパキスタンにとっては、水質汚染は重大な経済的負担となっており、世界銀行の調査によると、自国のGDPの約4%にあたる額の損失が生まれている。水質汚染は人道的な観点からも早急に取り組むべき課題であるが、パキスタンにはこれらの問題に対応する資源が足りない。したがって、水インフラ整備のため、他国からの支援を必要としている。

②水不足
ヒマラヤ氷河やモンスーンによる降雨などにより水資源は豊富なものの、それらをためておく貯水池が不足しており、また農業の灌漑用水路はイギリス植民地時代のものでひどく劣化している。これらの施設の新しい建設が必要である。また、高濃度のヒ素を含む水の浄化技術移転も、パキスタンの人々の命を守るために効果的といえる。他方で、パキスタンの人々には「節水」という習慣があまりない。それはつまり、水資源が枯渇する恐れがあるにもかかわらず、人々は路上の埃の洗い流しや、毎日の洗車に大量の水を使い続けているのである。そのため、まずはパキスタンの人々の意識改革から始めるのも、パキスタンの水危機を解決する一つの方法になるかもしれない。

出典

http://www.afpbb.com/articles/-/3159046?page=1&pid=19686296

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/171006/mcb1710060500015-n1.htm

関連サイト

参考資料