[インド] 気候変動により、更に深刻さを増す水不足問題

2019年9月10日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国:インド 市町村:チェンナイ

関連SDGs

課題・ニーズ

2019年7月現在、インド全土の4割以上が干ばつ状態となり、水不足問題はもはや国民の命の危険にまで及ぶレベルとなっている。

インド南部タミル・ナードゥ州の州都チェンナイでは、年間降水量が約半分に落ち込み、水道水としての貯水量がほぼ完全に枯渇した状況だ。同国の他の都市も同様に、自治体が持つ水源だけでは住民が生活を維持するためのニーズを満たすことができない状況となっている。

元々南アジア地域は、年間の数か月に降るモンスーンに必要な水の70%を依存している。モンスーンがその季節に恵みの雨を降らすことで、川は水をたたえ、地下には地下水が満ち、ヒマラヤ山脈は雪を頂き、その雪どけ水が人々の命の水である。しかし、逆に言えば、このモンスーンが少しでも気まぐれを興そうものなら、たちまち水不足に陥る脆弱さをもった地域なのである。

今年、インド南部の都市チェンナイでの降水量は例年より55%少ない。昨年12月のモンスーンが最後となり、その後約200日もの間、全く雨が降らない状態が続いているのだ。冬から春に季節が変わり、気温が108℉(42℃)まで上昇すると、市内の4つの貯水池では完全に干上がった地面が露わになった状態だ。2019年7月現在、市内の一部では約5か月もの間、水道がストップしており、住民等が時には夜中にまで配給の水を得るためのタンカーを引いて移動するのが日常化してしまっている。

モディ首相は、2024年までにすべてのインド国民に水道水を供給することを公約しているが、それは施設や仕組みづくりのことであり、肝心なのは、供給する「水そのもの」をどうやって手に入れるかである。

近年の気候変動により、これまで当然の如く人間が享受していた「自然の恵み」が得られなくなった今、それ以外の斬新でイノベーティブな方法でこの水不足問題を解決することが求められている。

課題に関する考察・その他

出典

https://www.nytimes.com/2019/07/15/opinion/india-water-crisis.html

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参考資料