[南太平洋] 美しい島々が犠牲となる全世界のプラスティック廃棄の問題

2019年10月23日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:アジア・太洋州諸国 国: 市町村:

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課題・ニーズ

南太平洋にある絶海の孤島。そこに世界中から排出されたプラスチックごみが漂着し、美しい浜辺を「ゴミ溜め」のように覆いつくしている。科学者等は、世界中で使い捨てプラスチック製品を使う習慣が続く限り、美しい島々を救う手立てはないと訴える。

南太平洋に浮かぶヘンダーソン島。英国領の環礁でニュージーランドの岸辺から5500㎞も離れた位置にある絶海の孤島。しかしそのような島が海洋プラスチックごみ汚染の最もひどい場所の一つとなっている。この島だけでなく、今、世界各国が出す海洋プラスチック汚染の大部分が、こうした南太平洋の島々に世界的にも最悪の被害を引き起こしていると言われる。

今年6月、調査のためこの島を訪れた海洋科学者Jennifer Lavers氏によれば、「ボトルや容器、釣道具の一部」などがドイツ、カナダ、米国、チリ、アルゼンチン、エクアドル等、世界のあらゆる国々から漂着しているという。同氏が2015年、この島に初めて調査のため訪れた際、East Beachと呼ばれる浜辺では1メートル四方当たり約700個のプラスチックごみがあることがわかった。この数字は世界でも最悪レベルの密度だとという。この島が、南太平洋環流(South Pacific Gyre)の中心に位置するのだが、その強い海流が世界中の漂流ゴミをこの島のある地域に運んでくるのだという。

最近再び調査した際、同氏は清掃活動を企画。チームに分かれて約2週間にも渡り清掃活動を展開。浜辺からプラスチックごみ約6トンが回収された。しかしそのような膨大な労力を費やしてもなお、清掃したはずのその場所にはまたすぐに新しいゴミが漂着する。それを目の当たりにし悲痛な思いであったという。

2019年8月ツバルで行われたPacific Islands Forum (太平洋諸島フォーラム )では、そのような島々を持つ太平洋諸国のリーダーたちが、改めて世界に向けてプラスティックゴミ問題の危機的状況について、警告を発した。WWF(世界自然保護基金)の関係者は「こうした太平洋の島々は世界から見れば地域としては小さいかもしれません。しかしリーダーがこの場で世界に向けて送ったメッセージは明白です。プラスチック汚染は世界の全ての国々にとって、重大な問題なのです。」「世界規模の問題であるからこそ、世界規模での解決策が求められている。そして具体的で実践的な対策を世界レベルでいますぐ行動に移す必要があるのです」とコメントしている。

今や「待ったなし」の状況であるプラスティック廃棄物による環境汚染問題。課題を解決するための具体的なソリューションが、緊急で求められている。

課題に関する考察・その他

https://www.afpbb.com/articles/-/3237627

出典

https://wwf.panda.org/wwf_news/press_releases/?352190/WWF-supports-Pacific-leaders-call-for-a-global-treaty-to-curb-marine-plastic-pollution

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参考資料