[ブラジル] 鉱山ダム決壊による深刻な環境破壊問題

2019年6月11日に投稿された課題

投稿者:SHIP Secretariat

所属:SHIP

場所:地域:中南米 国:ブラジル 市町村:Minas Gerais

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課題・ニーズ

2019年1月25日、ブラジル南東部ミナスジェライス(Minas Gerais)州ブルマジーニョ(Brumadinho)近郊で発生した鉱山ダム決壊事故は、未曾有の被害をもたらした。2月の報道では死者180人近く、行方不明者131人とされる。

また、この決壊により鉱物を含む泥流による広範な地域への環境汚染が心配されている。当局の調査によると、パラオペバ川の下流、120㎞にもわたり、鉛やクロムなどの有毒金属類を含む泥流が大量に流れ込み、川沿いの自然環境や住民生活に影響を及ぼしているという。当局は当該の地域住民に、川の水の飲用、酪農や農業への使用を控えるよう注意を呼び掛けている。

ダム決壊の原因は建設コスト削減などによる欠陥構造によるものとの見方もあり、従業員や周辺地域の住民に対する安全確保意識の欠如、重金属を含んだ土砂が大量に流出することによる環境への影響の重大さなど、同ダムの保有者である鉄鉱石世界最大手ヴァーレ社の企業モラルに対する批判が高まっている。

同社の鉱山ダムでは3年前にも同様の事故が起こっており、また今年5月にはバロージコカイス(Barao dos Cocais)にある同社の別のダムについても「いつでも崩壊の危険がある」との発表がなされ、同地域住民の不安が高まっている。

鉄鉱石が国の重要産業の一つであるブラジルにおいて、その産業が周辺地域の人々や環境と共存共栄するためにも、こうした災害を二度と繰り返させないための具体的な解決策が求められている。

課題に関する考察・その他

出典

https://www.bbc.com/news/world-latin-america-47111908
https://www.bbc.com/news/business-47432134

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