[ブラジル] スラム街の劣悪な住宅環境

これから都市における人口は増えていくと予想されており、各都市は受け入れのキャパシティを広げるだけでなく、現状起きている課題への対処も考えなければならない。ラテンアメリカにおいて、スラム街はもはや都市化しているが、その住環境は非常に悪い。それを改善するためには、スラム街の起業家が外部からサポートを受け、スラムコミュニティに対して、適切な住環境を整えるようなビジネスができるようにする必要がある。

特にリオデジャネイロのスラムの存在は、何十年も無視しされて続けている。政府が関与しないため、構造的にも、社会的にも、経済的にも問題が積みあがっている。法的に認められた住居やトイレ、電気などの最低限の生活環境が欠如している状況を放置したために、無法な住環境を作り出してしまった。 スラム街の住居は当初、木と金属スクラップにより建設されていたが、今日、リオデジャネイロ近くのロシーニャ地区では、レンガ造りの家が主流となっている。しかし、何の規制やルールもなく、手段が限らているため、その構造には健康への影響や耐震といった多くの問題が潜んでいる。

[ナイジェリア] 薬品偽装による健康被害

世界保健機関(WHO)によると、世界の製薬市場のほぼ半分が、偽造されており、抗マラリア薬の偽造品だけでも、アフリカで年間12万人以上の死者が出ていると言われている。特に、 ナイジェリアで販売されている医薬品の70%以上が偽造薬であることが報告されている。 患者は治療効果を期待して薬を購入するが、残念ながら購入時に本物と偽物を区別することはできない。 そのことが、気付かないうちに、抗菌薬耐性、マラリアの治療不全、HIV / AIDS、結核、乳幼児・妊産婦死亡率の上昇に繋がってしまう。

偽造薬のせいで、患者は治らないのに薬を買い続けることになり、人によっては死ぬまで薬代を払うことになる。そのため、患者には、きちんと治療効果を得ることができる良質で適正な価格の薬が必要である。 また、偽造薬は毎年2000億米ドル以上の損害を製薬メーカーに与えていると言われている。メーカーは、偽造薬から自社のブランドを守り、信頼性と信頼性を保ちたいと思っている。

[ナイジェリア] 低温流通体系の欠如による食品ロス

アフリカ全体では生産される食品の33%(13億トン)が小売業者に達する前に破棄され、店頭で販売される食品の40%も破棄されています。これは12億人に食料を供給できる量になります。また、世界での食品ロス率は平均33%なのに対しナイジェリアでは80%になり、且つ食品ロスによる経済損失は年間7,500億ドルにのぼると言われています。

農業はナイジェリア経済の最大のセクターであり、労働力全体の3分の2は農業で働いています。しかし、物流システムや道路等のインフラ整備が整っていない事から、収穫後の農産物の大半が失われています。 例えば、ナイジェリアはアフリカでトマトの生産量が2番めに多く、年間150万トンを生産していますが、収穫後50%は傷んで破棄されています。主な原因として、収穫の際にトマトの入ったバスケットを重ねている点、収穫後のトマトを保管しておく倉庫が足りない点、そして低温流通体系(コールドチェーン)が無いため長距離移動の際にトマトが傷んでしまう点があります。

低温流通体系が整っていない事が食品ロスの大きな要因にはなっていますが、そこ以外にも農家が収穫物を傷めずに保管する知識・技術・設備を整え、包括的にナイジェリアの農業インフラを整えていく必要があります。