[南太平洋] 美しい島々が犠牲となる全世界のプラスティック廃棄の問題

南太平洋にある絶海の孤島。そこに世界中から排出されたプラスチックごみが漂着し、美しい浜辺を「ゴミ溜め」のように覆いつくしている。科学者等は、世界中で使い捨てプラスチック製品を使う習慣が続く限り、美しい島々を救う手立てはないと訴える。

南太平洋に浮かぶヘンダーソン島。英国領の環礁でニュージーランドの岸辺から5500㎞も離れた位置にある絶海の孤島。しかしそのような島が海洋プラスチックごみ汚染の最もひどい場所の一つとなっている。この島だけでなく、今、世界各国が出す海洋プラスチック汚染の大部分が、こうした南太平洋の島々に世界的にも最悪の被害を引き起こしていると言われる。

今年6月、調査のためこの島を訪れた海洋科学者Jennifer Lavers氏によれば、「ボトルや容器、釣道具の一部」などがドイツ、カナダ、米国、チリ、アルゼンチン、エクアドル等、世界のあらゆる国々から漂着しているという。同氏が2015年、この島に初めて調査のため訪れた際、East Beachと呼ばれる浜辺では1メートル四方当たり約700個のプラスチックごみがあることがわかった。この数字は世界でも最悪レベルの密度だとという。この島が、南太平洋環流(South Pacific Gyre)の中心に位置するのだが、その強い海流が世界中の漂流ゴミをこの島のある地域に運んでくるのだという。

最近再び調査した際、同氏は清掃活動を企画。チームに分かれて約2週間にも渡り清掃活動を展開。浜辺からプラスチックごみ約6トンが回収された。しかしそのような膨大な労力を費やしてもなお、清掃したはずのその場所にはまたすぐに新しいゴミが漂着する。それを目の当たりにし悲痛な思いであったという。

2019年8月ツバルで行われたPacific Islands Forum (太平洋諸島フォーラム )では、そのような島々を持つ太平洋諸国のリーダーたちが、改めて世界に向けてプラスティックゴミ問題の危機的状況について、警告を発した。WWF(世界自然保護基金)の関係者は「こうした太平洋の島々は世界から見れば地域としては小さいかもしれません。しかしリーダーがこの場で世界に向けて送ったメッセージは明白です。プラスチック汚染は世界の全ての国々にとって、重大な問題なのです。」「世界規模の問題であるからこそ、世界規模での解決策が求められている。そして具体的で実践的な対策を世界レベルでいますぐ行動に移す必要があるのです」とコメントしている。

今や「待ったなし」の状況であるプラスティック廃棄物による環境汚染問題。課題を解決するための具体的なソリューションが、緊急で求められている。

[アフガニスタン] 異常気象による水害による農業壊滅、限界に達した食糧状況

反政府勢力や、過激派組織の勢力が衰えずいまだに戦火が絶えないアフガニスタン。そこでは政情不安による不安定な生活に加え、異常気象による干ばつ、数十年に一度の大洪水などが発生し、主要産業である農業に深刻な打撃を与えている。人々は国内避難民と化し、安定した生活が営めず、また、生活のために武装組織に加わるなど、負の連鎖が続いている。

人口約3600万人のアフガニスタンは、その約8割が農業を営むといわれている。しかしながら、この数年にわたる干ばつにより農作物の不作が続いており、また、更に追い打ちをかけるかの如く、数十年に一度といわれるような大規模な洪水が毎年のように発生。その度に農地が流され作物が取れず、経済的な大ダメージを与えている。また、洪水により井戸や水源が汚染され、感染症などによって、人々の健康が脅かされる状況となっている。

FAO(国連食糧農業機関)のアフガニスタン事務所代表Rajendra Aryal氏は「人々は既に貧困に陥っている。もし今年の収穫が不作となった場合、本当に最悪の事態になることが予想される」と云う。また国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、830万人が「危機的状況」、330万人が餓死寸前の「緊急段階」だという。

不安定な政情に加え、気候変動の影響により歴史的にも稀にみるレベルでの飢餓状態にあるアフガニスタン。この国の人々の命を救うための有効な策が、今、緊急で求められている。