[ニジェール共和国] 砂漠化による貧困と紛争の拡大

サヘル地域では、地質上の特徴、樹木の伐採、家畜の放牧による植物の採食、農耕活動による地表面の攪乱などにより、土地の砂漠化が進んでいます。

また、このサヘル地域にあるニジェール共和国では、西アフリカ最大の民族であり農耕民であるハウサが生活していますが、村では人口の急増が進み、農耕活動に必要な農地の拡大が問題となっています。当該地域にはウシやラクダなどの飼育を行う牧畜民のフルベやトゥアレグも居住しています。牧畜民は、農耕民が所有する家畜の放牧の世話を受託したり、農耕民の農耕物を他地域で販売するなど、農耕民と牧畜民は共生していますが、毎年7月から11月までの雨季になると、牧畜民の家畜が農耕民の農作物を食べてしまうなど、農耕民と牧畜民の生活スタイルがぶつかりあうことで、紛争が発生しています。

このように、急激な人口増加と農地拡大、家畜頭数の増加、経済活動の活発化などが砂漠化を進行させており、それらと同時に土地不足による紛争も発生しています。