[インド] 魚の需要拡大による破壊的な漁業と生態系の危機

 インドでは、6,300万の人々が沿岸部に暮らしており、その多くが沿岸部の恩恵を受けた職業(漁業や観光など)により生活している。インドの西岸に位置するSidhuburg(マハーラーシュトラ州)は、破壊的な漁業慣行により生態系のバランスが崩れ、インドの11の生態系危機地域の一つとなっている。

 現在、世界中では1950年にくらべて4倍の魚の消費があり、この消費に追いつくために、世界の漁船(インドは世界第二位の魚の生産量を誇る)は海が生産可能な2-3倍の魚の供給を求めている。

 この調子では、2050年までに熱帯地域の漁獲量は40%減少し、それに伴い何百万もの人の生活手段が脅かされることになる。

[パラオ] 観光客急増によるマングローブ群とサンゴ礁群へのダメージ

 とくに近年の中国地方政府発給の無料観光券で訪れる中国人観光客の急増(パラオに来る観光客の90%を占める)に対応するために、パラオのホテルへの投資や地元ホテルの買収が急激に進んでいる。新しいホテルが建設が進むと、強烈なスコールが起こるたびに、赤い工事土砂が海に流れ込んで、マングローブ群とサンゴ礁群に大きなダメージを与えている。

[日本] お肉を輸入する際のバーチャル・ウォーターの増加

 バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国( 消費国) において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものであり、ロンドン大学東洋アフリカ学科名誉教授のアンソニー・アラン氏がはじめて紹介した概念です。例えば、1kg のトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800 リットルの水が必要です。また、牛はこうした穀物を大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。つまり、日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。しかし、食料自給率が68%(平成28年度、生産額ベース)の日本は言い換えれば、形を変えて水を大量に輸入していること言えます。

 そして、日本における肉の消費量は年々増加しており、世界的にも肉の消費が2050年までに倍増すると予想されているため、水の資料量の増加など、環境への影響はさらに悪化すると予想されます。

[インド] ゴミが散乱したまち

 インドにもゴミを収集して処理するという仕組みはあるが、施設キャパが処理量に追いつかず、まちの至る所にゴミが散乱している。ゴミ箱もあるところにはあるが、一人がゴミ箱でもないのにある場所にゴミを捨て始めると、次から次へとそこにゴミが分別されることもなく捨てられ、山のようになっている土地がいくつも見受けられる。

 プラスチックなども処理施設ではないところで燃やされることもあり、ダイオキシンが発生して健康被害にも繋がってしまう。

[ウガンダ] 不十分なメンタルヘルスケア環境

 1962年の独立後も反政府組織が活発に活動したウガンダ北部で、首都のカンパラから車で5時間程度の距離にある都市、グル(Gulu)。ここにあるGulu Regional Referral Hospitalの精神科には医師が1人しかおらず、1日の平均外来患者数50~100人に対して、精神科臨床担当官、看護師、ソーシャルワーカー、カウンセラーなどの医療スタッフの数が不足している。病状が落ち着かない患者に対しては、やむを得ず薬を注射することもある。精神薬も不足しており、入院中は薬が飲めても、退院後は薬を入手できないということも多い。病室も適切ではなく、病状が重い患者を収容する保護室は、入り口が鉄格子でできており、ベッドもトイレもない。

[中国] エアコンによる電力消費量及び環境負担の削減

 全世界の電力消費量の17%はエアコンと冷蔵庫の使用によるものであり、更には米国だけでもエアコンから年間1700万トンのCO2が排出されています。エアコン等の冷却システムは技術の発展と共に効率化していますが、依然として多くの電力を使用しており、ピーク時には大きな電力需要をもたらします。さらに、エアコンは温室効果がCO2より何倍も高い代替フロンガスを放出し、その削減は地球温暖化対策には必要不可欠となります。  

 そして、今後は世界中で都市化が進むにつれ各国の中流階級がエアコンを購入することが予想されており、はじめから環境負担の少ないエアコンを導入する事が求められています。特に中国は2016年度の全世界のエアコン販売数の39.7%(約4億個)を占めており、中国の中流階級に商品として魅力的且つ環境負担の少ないエアコンを提供することが重要となります。  

 また、家庭用のエアコンに限らず、世界中のデータセンターでの冷却も同じ課題に直面しています。実際、2015年の全世界の電力消費量の2%はデータセンターの冷却によるものでした。家庭でのエアコン使用だけでなく、企業もデータセンターの冷却をよりコストと環境負担を抑えた方法で行う必要があります。

[インド] 交通マナーが整っていないことによる交通事故のリスクが高い

 WHOの調査によると、アジアにおいて交通事故の死傷者数が多いのは、中国に次いでインドであり、その数は20万人にのぼると言われている。


 インドのハイデラバードは、急速な経済成長に伴い、自動車の数も増えており、道路の整備も進んでいるが、信号や横断歩道がなかったり、バイクのノーヘルや急な追い越し、Uターン等により交通事故のリスクは高い。インドには自動車学校はあるものの、両親や友人が運転を教えてもいいことになっており、試験にさえパスすれば必ずしも自動車学校に行かなくてもいいことになっているようだ。また、警察の取り締まりも追いついておらず、法律でバイクのノーヘルや無免許運転は罰則されるものの、あまりにも違反の数が多いため、実際に事故を起こすまで警察も中々動かない。

[タンザニア] 土地を所有していても、法的な所有権を持たない

 タンザニアではほとんどの人が土地の法的な所有権を持っておらず、さらには土地のわずか30%しか地図で整理されていないため、本来所有していた土地を都市開発等に伴って失ってしまうリスクがある。土地の法的な所有権を持っていないと、土地を失ってしまうリスクがあるだけでなく、資産の証明がないため金融機関からお金を借りることもできず、農業やビジネスに必要な資金投資も行えない。

また、地図上で自身の土地の正確な広さや範囲を確認することができず、近隣トラブルに繋がるケースもある。実際、2014年にタンザニア北部の村では、近隣の住民同士で土地の所有権に関し言い争いが発生し、数名の死者が出てしまう事件があった。
 しかし、村レベルでの地図が無いため、村人が登記をする場合には土地管理局の測量士 2-3 名を直接雇用することが必要であるが、それには法的知識があり、かつ測量師派遣の人件費、食費・日当・宿泊費等が支払える人に限られる。よって、所有権確定の審査にアクセスがあるのはある程度の教育を受け、英語力、法的知識があり、諸費用を払えるほどの財力がある、限られた層になっている。