[ケニア] 灌漑システムの不足

ケニアは540万ヘクタールの耕地を所有していますが、この土地のわずか17%が雨季農業に適しており、残りの土地には灌漑やポンプ技術が必要です。現在耕地の3%が灌漑され、ガソリン、電気、および手動のポンプが市販されていますが、高い投入コストや労働の非効率によって十分な解決策となっていません。

また、雨季に頼る事により年2回の収穫しか行えず、農家は所有している土地を活用しきれずにいます。

[ネパール] 水不足と水質汚染

ネパールのカトマンズでは、ヒマラヤ山脈の雪解け水が豊富にあるにも関わらず、慢性的な水不足と水質汚染に悩まされている。ネパール中央統計局データによると、5世帯に1世帯が水インフラが家に届いていない状態に置かれており、全体の 2/3世帯が十分な水の供給を得られていないという。その原因は、政治的な混乱や煩雑な利水計画、周辺農村から首都カトマンズへの大規模な人口流入等、様々な問題が複雑に絡み合っている。結果、社会的、経済的に弱い立場の人々にとって、清潔な水の入手が困難な状況が生まれている。 水質汚染も深刻で、河川敷での火葬、廃棄物や下水が河川へ投棄されるため、衛生的ではない。

水不足を解消するために、タンクで水を運んだり、地下水をくみ上げるビジネスも行われているが、それらの水には有害金属物質が含まていることも多く、本当に安全かどうかも危惧されている。

[世界全体] 大量の食品ロス

食品ロスは世界全体にまたがる大きな課題。生産された農水産物の大きな部分が食べられることなく、捨てられている。現在の世界全体の食品ロスの25%分の食料があれば、世界中から全ての飢餓がなくなる計算。食品ロスがなくなれば、生産者から家庭までの食料バリューチェーンにおける経済的ロスが削減されるとともに、CO2排出量も削減される。

農水産物が収穫された後、市場に届く前に起こるの食品ロスは、開発途上国、先進国を問わず、主に、適切な倉庫や物流システムがないために発生しているが、とくに低所得国においては深刻な状況。国連食糧農業機構(FAO)によると、開発途上国で生産された食糧のうち30-40%は市場に届く前に無駄になっている。

市場や家庭に届いた後も、食品が腐ったり、捨てられたりしている状況は深刻。先進国においては、食品ロスの多くは物流の過程や、店舗・家庭で発生している。物流の過程で発生する食品ロスの多くは、消費者の好みや過剰な規制が原因。欧米における1人あたりの食品ロスの量は、南米や東南アジアの約10倍。